紙の知恵袋

製図用紙と複写②    2016.2.10

製図用紙に図面を描きそれを複写機で感光紙にコピーする(通称「青焼き又は白焼き」)、という一連の流れは1920年代から1980年代にかけて、設計・複写の世界では最も普及していた方式でした。

設計図面を複写する方法としては前回少し触れましたが、まず、最初に鉄鉛の感光性を利用した「青写真」に始まり、次にジアゾ化合物を使った「ジアゾ感光紙」が開発されました。この両者の特徴はいずれも、透過性のある用紙に製図して、感光紙の上に重ねて露光し、それを現像液又は現像ガスに通して画像を出現させるというものです。そのためには透明度の高い用紙(トレーシングペーパーなど)に鉛筆や墨で製図する必要があります。青写真は全体が青い地に画線が白く発色するというもので、その使用は1900年代初頭から始まりました。しかし図面が見づらく文字を書いたり訂正したりするのに大変不便でした。これを解消したのが1927年、理化学研究所によって開発された「陽画感光紙」でした。こちらは白地に青い画線・文字が発色するため大変見やすくなりました。露光については、当初は基本的には日光焼き付けで、雨が降るとコピーできないという不便さがありましたが、その後、アーク灯や、水銀灯などが開発されてゆきました。このように進化してきたジアゾ感光紙と複写機は、特に戦後の復興期から高度成長期にかけて、図面用でも事務用でも大活躍しました。それに伴い製図用紙も、和紙、トレーシングペーパー、フィルムなど、用途に応じて大量に使用されました。

しかし現在は電子複写全盛の時代となり、今や、「感光紙」そのものを知っている人さえ段々と少なくなってきています。「青写真・ジアゾ複写機・感光紙」はやがて産業遺産となるかもしれませんね。このような複写システム変革の大きな要因は、大型PPC複写機の出現と、設計のIT化でしょう。この二つのことが、製図用紙と感光紙の需要にも大きな変化をもたらしました。

次回は隆盛を誇ったこのジアゾ複写方式がどのように衰退して行ったかについて述べることとします。

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